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マルチタイマー

9個のタイマーを内蔵。オンチップのP-ROMに設定も保存可能。


キッチンタイマーは沢山市販されているが、どれもタイマーは1つだけ。何時間仕事して、何分お休み、また何時間か運動して…と言うような複数の異なる値を順次カウントするタイマーがない。パソコンのアプリなどでも殆ど見かけない。
「ならば自作しよう。」と、作ったのがこれ。
いくつでも良いのだが、液晶表示器の桁数の関係で9個のタイマーを内蔵することにした。そして、簡単なキーボードを付けて、そこからタイマー値を設定できるようにした。前回のチクタクタイマーでは設定しても電源を切ると消えてしまう、と言う問題があった。CPUの多くは内蔵のEE-PROMを持っているのに、書込が上手くいかなかった。しかし、いつの間にか、Arduinoの標準ライブラリにEE-PROM書込の機能が加わっていた。
手足は少ないので、CPUはいつものAtTiny85。電源は単4電池とした。

 

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最初はバラックセットをブレッドボードに組んでプログラムから作り始めた。
電源回りをどうするか決めていなかったからだ。

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安いので、買い込んでしまったLCD。
使い方にはちょっとクセがある。しかし、9桁の数字表示の他に細かいオマケがあって、今回は重宝した。
しかし、3.3Vの電源ではバックライトは点灯しなかった。限流抵抗を変えようかとLCDの基板を覗いたが、0Ω抵抗があるだけで、果たせなかった。

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スケッチが概ねできたので、実際の基板製作に入る。とは言え、PCBを起こすほどの台数は見込めない。(実際に受注したのは1台!?)
今回もユニバーサル基板で作ることにして、部品の配置を検討しているところ。

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試作1号機。電源は最後まで迷っていたが、ニッケル水素の単4電池2本とすることでスタート。部品の高さが問題なので、手元にあったMC34063AのSOPを使うことにした。
キーボードのタクトスイッチにレバーの長いものがなかったので、注文したものが届くまで、ここはブレッドボード版のキーボードを使っている。

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起動メッセージ。
相当苦しいが、「WELCOME」と、表示したつもり(^_^;

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スケッチも無事に動いて、カウントができるようになった。
これは1番のタイマーがのこり「0分34秒」を示しているところ。

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突然試作2号機。実はケースが思ったより小さくて電池が1本しか入らないことに気がついた。
なぜもっと早く気付かなかったか、と言うと、ケースはアクリルで自作するつもりだった。いや試作はしてみたのだが、2mmのアクリルで作って見たものの、ちょっと厚すぎてごついものになってしまったのだ。そこで、在庫のケースを物色したが丁度良さそうなのがこれしかなかった。
よく考えてみれば、34063Aの可変電圧電源など、完全にオーバースペック。HT7733の固定で十分だし、こちらなら電池1本で済むと気がついた次第!

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とか、なんだかんだでやっと動き始めた試作2号機。2台作るのに2日も掛かってしまった。

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試作を2台しているウチに、レバーの付いたタクトスイッチが届いた。
そこでキーボードを作成。大きさの制限があり、スイッチの向きや、端子の位置など、頭の体操が随分ハードだった。途中で何回も放り出しそうになった。
複雑な配線の取り回しはテクノペンのお世話になった。
このキーボードは、ArduinoのLCDキーボードシールドの完全なパクリ。
抵抗分圧により1bitのアナログポートで複数のキーを読めるのは手足の少ないCPUには願ってもないことだ。

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一応、メイン基板の裏側も。。。
これは記録程度だが。1号機では電解コンデンサのサイズが大きくて困った。2号機を作っている間にチップのセラミックコンデンサが届いたので、配線の間に埋め込んでしまうことができた。これでメインの基板は随分余裕になった。

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完成したマルチタイマー。最初からこのケースに入れるように作れば良かったが、基盤を作ってからケースを探したりしたので、余分な隙間ができてしまった。
次からは筺体まで決めて試作を開始しよう。

AtTinyと割り込み

キー入力と表示は当初タイマー割り込みに任せて、メインループは、カウントに専念する予定だった。しかし、ATMEGAでは快適に使えたのに、AtTinyではうまく動かない。
結局、時間切れですべてループの中で処理するようにしてしまった。タイマーの切り替え時など(ビープ音を発生させるので)ちょっとカウントがずれるが、ジョブの切り替えと言うことで、良しとした。
いつか時間のある時にでも、AtTinyのタイマー割り込みにはトライしてみたいと思っている。


参考までにハードウェア・ソフトウェアの情報を。ただしこれらは僕の覚えであり、正確に改版を反映していない可能性があります。この通り作って動かないからと、怒らないで欲しい。